ご挨拶

学会長ご挨拶

工藤博幸

第40回日本医用画像工学会大会(JAMIT 2021)を,会期10/13(水)~10/15(金)にわたって慶応義塾大学日吉キャンパスの協生館とオンラインのハイブリッド開催で,陣崎雅弘先生大会長のもとで開催させていただくことになりました.COVID-19や東京オリンピック開催がどうなるか全く予測できない状況のもと,早めに10月開催と現地・オンラインを併用したハイブリッド開催を決定して,これまで陣崎先生を中心に精力的に準備を進めてきました.一年以上前から準備を進めて来られた陣崎先生他大会関係者の皆様方に厚くお礼を申しあげます.

さて,JAMIT大会は第35回大会(JAMIT2016)頃からAIブームの上昇気流に乗り,更にはチュートリアル講演,ハンズオンセミナー,特別講演,シンポジウムに魅力的なものを準備して,毎年大成功を収めて来ました.参加登録者の総数が近年は毎年300人を越えておりJAMIT大会への医用画像関係者の大きな期待が感じとれます.今回の大会のテーマは「新たな潮流を目指して」に設定されており,AIに関する充実した企画を残しつつ近未来における医用画像工学の新しい展開が感じとれる盛り沢山の内容になっています.企画を中心に簡単にその一端を紹介させていただきます.特別講演は,大変著名な革新的なバイオイメージングに関する講演を理化学研究所の宮脇敦史先生に,従来のコンピュータとは原理が異なる量子コンピュータで何ができどう使うかに関する講演を慶應義塾大学の伊藤公平先生にしていただけることが決まりました.また,AIに関しては,例年好評を博しておりJAMIT大会に定着したハンズオンセミナーに加え,AI技術が完成に近づいた現状をふまえ次の時期を意識したシンポジウム「AI教育を考える」,AIの臨床応用に関する特別企画「画像AI最前線」を準備しています.JAMITお家芸のイメージングに関しては,大会長の陣崎先生も先駆的に取り組んでいるテーマの「立位のイメージング」,空間分解能の極限を目指す「画像で微細構造がどこまで見えるか」,「脳のイメージングの最前線」を準備しています.一般演題は3月に演題募集を開始して,AIに関する発表を中心に約100件の投稿があると期待しており,JAMIT2018,JAMI2019に引き続きポスターセッション(ティザー+ポスター)の形態で実施します.JAMIT会員の方も非会員の方も,積極的に演題の応募をお願いします.最後に,昨年度はオンライン開催のため実施できなかったランチョンセミナーも会場で実施する予定です.

さて,JAMITは念願であった任意団体から法人への移行を2021年12月18日に達成して,JAMIT2021が法人化後に開催される初めての大会になります.法人化の際に定款や規程を大幅に見直しして,今まで中日に実施していた「総会」を「会員集会」という形で,表彰を「田中栄一記念賞」に加え「功労賞」と「功績賞」の表彰を毎年行うことになっています.それ以外にも法人化によりJAMIT大会の様相が変わる部分もあると予想され,新しい法人JAMITの大会を是非覗いてみてください.  最後に,JAMIT2021はハイブリッド開催ですが,現地会場の慶應義塾大学日吉キャンパス協生館周辺は,大会HPの画像にあるように11月には銀杏(いちょう)並木が大変きれいな場所と聞いています.10月開催ですから銀杏が黄色く色づくにはまだ早い時期と思われますが,COVID-19が10月までに収まり安全が回復して現地に多くの方が集まってのJAMIT大会になることを心から祈っています.

日本医用画像工学会
会長 工藤 博幸(筑波大学)

大会長ご挨拶

陣崎雅弘

第40回日本医用画像工学会(JAMIT)大会を2021年10月13~15日に慶應義塾大学日吉キャンパスの協生館にて開催させて頂くことになりました.大会のテーマは,「新たな潮流を目指して」に致しました.

HPに掲載しました写真は,日吉キャンパスの正面入り口から写したものです.秋の開催ということで,11月に見頃を迎える紅葉した銀杏並木に致しました.この坂道を上り切った奥に昨年建て替えたばかりの新「日吉記念館」が見えています.新たな潮流を目指して坂道を上っていったら,新しい世界が見えてきたというイメージでこの写真を選びました.

特別講演は先駆的に時代を切り拓くお仕事をされているお二人にお願い致しました.お一人目は,本学理工学部物理情報工学科教授の伊藤公平先生です.今年,大学の学長に相当する塾長に就任されました.量子コンピュータの第一人者であられ,「量子コンピュータをどう使いこなすか」というタイトルで,次世代解析法の可能性と課題をお話して頂きます.伊藤先生は,私にとっては医工連携のシンボル的存在でいらっしゃり,私も多岐にわたって連携させて頂いております.お二人目は,今年の3月に日本学士院賞を受賞された理化学研究所の宮脇敦史先生です.医用画像工学の目標は人体を切らずに更なる可視化を進めていくことだと思います.現在,3次元・4次元像で組織レベルの可視化が行われているところですが,究極は人の細胞内動態の可視化だと思っています.宮脇先生は動物を用いて細胞内動態の可視化を探究しておられます.私とは大学時代の同期で,共にこのキャンパスで学び,語り合った仲です.

シンポジウムは,新たな切り口での話題を2つほど設けました.1つ目は,これまでもこの学会の主要テーマとして取り上げられてきた人工知能関連ですが,ソフト開発や手法の話ではなく,これからの時代を担うAIの人材育を取り上げました.「AI教育を考える」というテーマで,どのようにAI人材育成を行っていくのかを,昨年文科省の医療データ人材育成拠点形成事業に採択された,東北大学と名古屋大学の先生方にもご登壇頂き,議論したいと思います.2つ目は,「横断画像で微細構造がどこまで見えるか」というテーマで,超音波,CT,MRI,PETなどの様々なモダリティーを一同に並べて,最新の分解能でそれぞれどこまで見えるようになっているかということを総合的に聞いて頂きたいと思います.特別講演の宮脇先生の,細胞内動態を可視化する技術の分解能との違いを感じて頂ければと思います.

特別企画は,機能評価という視点からの話題を2つ提供したいと思います.まず,「重力下の人体を可視化する~立位のイメージング~」というタイトルで,私が推進している立位での機能評価の現状を取り上げました.これまで画像の多くは臥位で撮影され,器質的疾患の評価に用いられて,生命寿命の延伸に役立ってきました.これからは,立位で人体機能を評価することにより,健康寿命の延伸に役立つものになっていくと考えています.もう1つは,「脳のイメージング最前線」と題して,今多くの画像研究者の興味を強く惹いていると思われる脳の機能,構造,連絡性,すなわち「コネクトーム」と,老廃物排泄系である「Glymphaticシステム」の話題です.これらの異常は睡眠や痴呆との関連も指摘されており,立位イメージと同様,人体機能評価の観点から大きな潮流の1つになると思っています.

この学会は,多くの場合基礎工学系の先生が大会長を担っておられますが,医学系の大会長は2014年の慈恵医科大学放射線科教授(当時)の福田国彦先生以来7年振りになります.放射線科医の立場から,臨床に近い話題も多く聞いて頂けるように致しました.いずれのトピックも新たな潮流と思えるようなものを選定致しましたが,この大会を通して,医用画像工学の今後の方向性の一端を感じてもらうことができればと思います.

すっかり定着した,チュートリアル講演会,深層学習ハンズオンセミナーは例年通り開催させて頂きますので,奮って応募ください.コロナ禍でハイブリッド開催を予定しており,現地参加もWEB参加も可能ですので,多くの方にご参加頂けますことを願っております.

第40回日本医用画像工学会大会
大会長 陣崎 雅弘(慶応義塾大学)